【不動産用語File.2】ビット?ビッド?

不動産業界で働いていると、業界スラングと言いますか、先輩社員がごく普通に使っている言葉が新入社員にとっては聞きなれない言葉であることも非常に多いです。

 

私自身、「ビッド」という単語を初めて聞いたときには分からず、聞き取れた雰囲気で「ビット」とインターネットで調べてみても、なかなかピンと来ませんでした。

そのまま放っておいて何とか会話の文脈の中から意味をなんとなく把握するに至りました。

 

「ビット」ではなく、「ビッド」が正しい表現です。

なお、「ビッド」とは、物件の売買のときによく使われる単語です。

 

◎ビッド方式

売却される物件に対して、その物件を購入したいと考える複数の会社が、買取希望価格やその他条件を提示し、売却側にとって最も良い条件を提示することができた会社が、優先的に交渉することができる権利(優先交渉権)を得る方式のことを言います。

同じ意味で、「入札」「コンペ」「競売」とも言われます。

 

オークション方式に似ていますが、ポイントは「その他条件」も売却側へ提示して選考にかけられることにあります。

 

どのような開発計画を考えているのか、どのような共同事業者を想定しているのかなど、総合的に見たときに、その物件自体にとって最も良いとされる条件を示すことが重要になるのです。

 

 

以上です。

不動産は、動産と違う点が非常に多く、複雑で、それだけ面白い資産です。

 

周りの人が何を言っているか分からない、という状況が続くのは非常にもったいなく、言葉の意味をなるべく理解することは、生産性の高い仕事をする上で必須だと思っています。

周りの人に聞くのが恥ずかしい、という人もいるかと思いますので、このブログで紹介できる単語はどんどんしていきたいと思います。

 

もし単語が分からず悩んでいる人がいれば、コメントで書いていただければ可能な限りお答えいたします。

 

「いいな」と「コメント」をお待ちしています。

 

【不動産用語File.1】シェアオフィスとコワーキングスペースの違いは?

最近、街中で「シェアオフィス」「コワーキングスペース」といった文字をよく見るようになりましたね。

 

三井不動産東急不動産などの大手デベロッパーをはじめ、Weworkやリージャスといった事業者も、かなりの拠点数を出店しています。

参入障壁が非常に低く、近年は不動産以外の業種の事業者も多く参入しています。

 

一般的な企業の事務所とは違って、

・いろんな人が出入りする

・会員同士で交流がある

・いつでも利用できる

など、ざっくりしたイメージを持っている人も多いかと思いますが、ここでは似たジャンルとして①シェアオフィスコワーキングスペースサテライトオフィスバーチャルオフィスの違いを、個人的な理解をもとに説明したいと思います。

 

コロナ禍でテレワークが浸透し、事務所スペースを縮小しようとする企業が増えている今、従来のスタートアップ企業やベンチャー企業に加え、大手企業もこれらの新型オフィスを利用するケースが増えています。

利用する際の参考にしていただければ幸いです。

 

①シェアオフィス(レンタルオフィス

事務室のデスクや椅子、会議室、受付、電話回線、トイレ、リラックススペースなど、事務所にある物や機能のうち、他社と共有できるものを「シェア」できるオフィスのことを言います。

場所によってはドリンクが自由に飲めたり、企業同士の交流のためのイベントが開かれたりするところもあります。

 

<メリット>

・入居工事がほぼ要らないため、入居のときに初期コストが抑えられる

・入居工事がほぼ要らないため、すぐに事業を開始することができる

・会員制の場所が多く、新規契約や解約が楽

・他社との交流によって、新たな事業の創造につながる可能性がある

<デメリット>

・基本的には、一般的な事務所の賃料よりも利用料金が高いため(2~3倍くらいのイメージ)、長期間契約し続ける場合には、一般的な事務所に入居するよりも全体的なコストがかかってしまう。

 

(事例)

business-airport.net

 

コワーキングスペース

基本的な機能は①シェアオフィス(レンタルオフィス)と明確な違いはありません。ただ、①シェアオフィス(レンタルオフィス)よりも、「他社との交流」に重点を置いている点で特徴があります。

有名な「Wework」では毎週イベントが開かれており、お酒を飲みながら会員同士で交流することができます。

ベンチャー企業との交流からイノベーションが生まれることを狙って、大手企業も会員になっているケースが増えているようです。

 

<メリット>

・入居工事がほぼ要らないため、入居のときに初期コストが抑えられる

・入居工事がほぼ要らないため、すぐに事業を開始することができる

・会員制の場所が多く、新規契約や解約が楽

・他社との交流によって、新たな事業の創造につながる可能性が高い

<デメリット>

・基本的には、一般的な事務所の賃料よりも利用料金が高いため(2~3倍くらいのイメージ)、長期間契約し続ける場合には、一般的な事務所に入居するよりも全体的なコストがかかってしまう

・他社の出入りが多いため、セキュリティ面が若干弱い

 

(事例)

weworkjpn.com

 

サテライトオフィス

一人が入れるだけの必要最低限のスペースが並んでいて作業ブースになっており、デスクと椅子が設置されています。

場所によっては小さな打ち合わせスペースやリラックススペースも併設されているところもあります。

都心部はもちろん、住宅街にも多く出店されており、登録したブランドと同じブランドのサテライトオフィスであれば、どこでも利用できるという自由さが特徴です。

使った分だけ課金される「従量課金制」になっている場所が多いようです。

 

<メリット>

・入居工事が要らないため、入居のときに初期コストが抑えられる

・他の形態に比べてランニングコストが抑えられる

・従量課金制のため、料金体系が明瞭

・会員制の場所が多く、新規契約や解約が楽

・拠点が圧倒的に多く、自由度が非常に高い

<デメリット>

・交流の場としての機能が無い

・拠点のあるビルが古い場合が多い

 

(事例)

zxy.work

 

バーチャルオフィス

その名の通り、実際に作業するスペースを借りるのではなく、その場所の住所を借りることを目的した形態です。

スタートアップ企業やベンチャー企業など、新たに起業する場合には登記のために事務所の所在地を設定する必要があります。

このとき、バーチャルオフィスに登録することで登記することが可能になります。

「丸の内」や「銀座」など、企業としてメインの所在地が有名な地名だと、対外的に見栄えが良いということもあります。

シェオフィスを運営している場所で、オプションとしてバーチャルオフィスを提供しているケースが多く、電話回線を使えたり郵便物を預かってくれるサービスが付いていることが多いです。

 

<メリット>

・起業の際に登記が可能になる

・利用料金が非常に安く、ランニングコストを抑えられる

有名な地名を事務所の所在地とすることができる

・業種を問わず、登録が簡単

<デメリット>

・反社会勢力が関係する企業も同じ場所を登録している可能性がある

 

(事例)

www.karigo.net

 

 

いかがでしたでしょうか?

以上、4種類の新型オフィスについて説明してきました。

業務の中で触れてきた個人的な印象や大まかな特徴を書いているので、ブランドや事業者によっては同じカテゴリーでも違いがあります。

 

まずは使いたい形態を絞りましょう。

事業者も拠点も無数にあるので、使いたいエリアの中から使いたい形態をインターネットで調べるのが良いかと思います。

 

私の経験の中からお答えできることは極力お答えしたいとしたいと思いますので、質問等ございましたらコメントに頂ければと思います。

 

「いいな」と「コメント」、お待ちしてます。